2016年10月18日火曜日

2016年度【問28】と【問29】は、出題ミスじゃないよ!




(1)2016年度【問28】

2016年度【問28】において、宅建業法の規定に違反するものは、ア、ウ、エです。

したがって、宅建業法の規定に違反するものの「組合せ」をア、ウ、エとする肢4が、【問28】の正解になります。

宅建業法の規定に違反するものの「組合せ」をア、ウとする肢1は、【問28】の正解ではありません。


(2)2016年度【問29】

2016年度【問29】において、宅建業法の規定に違反するものは、ア、イ、エです。

したがって、宅建業法の規定に違反するものの「組合せ」をア、イ、エとする肢3が、【問29】の正解になります。

宅建業法の規定に違反するものの「組合せ」をア、イとする肢1は、【問29】の正解ではありません。


(3)反対意見

それに対して、「ア、ウ」も宅建業法の規定に違反するのだから、肢1も【問28】の正解にすべきだという意見があります。

同じように、「ア、イ」も宅建業法の規定に違反するのだから、肢1も【問29】の正解にすべきだという意見があります。


(4)法解釈には「ゾルレン(sollen)理想」が加味される -1-

しかしそのような反対意見は、ゾルレンが加味される法解釈としては、通用しません。

例えば、ある高校の修学旅行先のホテルで、複数の生徒によって4つの行為がされたとします。

ア 喫煙(違反)
イ 買物
ウ 飲酒(違反)
エ 万引(違反) 

このうち、ア、ウ、エは校則違反(ないし法律違反)です。

後日、学校で留守番をしていた校長が修学旅行を引率した教師に尋ねました。

校 長 : 本校の生徒で、校則違反した者の組合せはどれかね?
引率A : ア、ウ、エでございます。
引率B : いえ、ア、ウと申してもよいと存じます。


(5)法解釈には「ゾルレン(sollen)理想」が加味される -2-

皆さまのほとんどは、上の引率Bの言動は「何か変だ!」と思われたことでしょう。

おそらく、引率Bが、単なる自然科学的(数学的)発想で、「ア、ウはア、ウ、エに含まれる」と判断しているのが、皆さまの違和感の根底にあるのだと思います。

その違和感こそ健全で、そういう違和感を持ったかたには将来性を感じますね!

法解釈には「ゾルレン(sollen)理想」が加味されるのです。どんな法・規則も人間が作ったものだからです。

単なる自然科学的(数学的)判断ではなく、素行が悪い生徒を無くそうというゾルレン(sollen)理想のもと、校長は「校則違反者を『すべて』知りたい」と思って質問した、と解釈するのが法律です。

質問に、違反者『すべて』という文字が入っていなくても…。


(6)某大手予備校も修正

幸い、私が心配していた某大手予備校も、2016/10/17の14:00になってページを更新して、【問28】は肢4単独正解、【問29】は肢3単独正解に修正しました(合格推定点の修正はなし)。

こちら

うちのスタッフ doremi の調べでは、「2ちゃんねる」や「一部のブログ」で、まだ出題ミスだと騒いでいるようですが、悪い事は言いません、受験者の皆さまはそろそろ普通の生活に戻ったほうがいいです。

試験委員は、法解釈には「ゾルレン(sollen)理想」が加味されることくらい百も承知ですから…。

※ 参考

ザイン・ゾルレンと意思表示の構造